循環器診療の必要性

ペットの高齢化と共に、ペットの病気も癌や心臓病といった、
老齢変化に伴う病気が増えてきました。

「心臓病」と一言で言っても、病態は様々。
私たち獣医師も、日常の診療では「心臓に雑音が聞こえる」という
事でしか気づくことができません。

心臓病は基本的に完治する病気ではありません。
心臓病を悪化させる時期を遅らせるために薬を飲みながら、
長いこと、上手にお付き合いをしていく病気です。

したがって、一度治療が必要となれば、生涯にわたり投薬が必要です。

では、「心臓に雑音が聞こえる=心臓病治療を始める時期」なのでしょうか。

答えは「NO」です。

雑音が聞こえていても、心臓がしっかりと機能していれば、
治療を必要としない場合もあります。
心臓病にも程度や病態があり、それに合わせた薬の選択が必要になってきます。

生涯飲み続けるなら、必要な時期からお薬を始めたいと思いませんか?
病態や程度に合わせて、適切なお薬だけを与えたいと思いませんか?

そのために必要なのが、心臓の検査であり、専門的な知識と診断技術です。

当院では以下の検査を行うことにより、心臓の評価を行っています。

「心臓が悪いと言われた」
「ずっと薬を飲んでるんだけど、このままでいいの?」
「心臓病って命に関わるし、飼い主としても不安・・・」

このような疑問や不安を抱えていらっしゃるなら、
一度しっかりと心臓の検査をを行ってみませんか?

循環器診療の内容

1.一般的な身体検査に加え、聴診によって雑音の程度を判断します。
2.問診で、心臓病が原因で現れている症状がないかをお伺いします。
3.必要である検査をご説明して、検査を行います。
4.検査によって得られたデータを基にご説明します。

検査はペットの状態により、以下の検査の組み合わせで行います。

●血液検査
●レントゲン検査
●超音波検査
●心電図検査
●血圧測定

画像の説明

<血液検査>
心臓が悪くなってくると、血液循環が上手くいかなくなります。
そうすることで腎臓の働きが悪くなることがあります。
また心臓の負荷を軽くするために利尿剤やACE阻害薬といった薬を使うことが多いのですが、どちらも腎臓に負荷をかけてしまいます。
心臓と腎臓の両方のバランスをとりながらの治療が必要となるため、血液検査が必要となることがあります。

<レントゲン検査>
心臓が悪くなると、心臓の形に変化が起こってきます。
レントゲン検査で胸に占める心臓の大きさや、血管の太さ、形を見ます。
また、肺胞の中に水が溜まってしまう肺水腫や、胸腔へ水が溜まる胸水があるかどうかを調べます。

<超音波検査>
・心臓の動き
・心臓の中の血流速度
・心臓のどこから雑音が出ているのか などを調べます。
これらを総合的に評価することで、病態と機能の程度がわかり、診断名を付けられます。

<心電図検査>
不整脈の有無、不整脈があった場合の不整脈の種類を鑑別します。

<血圧測定>
お薬を選ぶ上で血圧が必要な判断材料となることがあります。

予約の方法

ご予約は直接当院までお電話ください
03-6903-4983

はじめの診察に20~30分、検査に1時間程度の時間を必要とします。
その後、検査によって得られたデータを解析し評価するために30分ほどの時間を必要とするため緊急時を除き予約制としています。

検査ご希望の方は、2~3時間のお時間の余裕を見てご予約ください。

検査は12:00~16:00の間に行っています。
12:00前後に来院していただく
⇒検査のためにペットをお預かり
⇒14:30頃から結果をご説明  が一般的な流れです

来院される際には、これまでの検査結果や飲んでいるお薬があればお持ちください。